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陶院叢書

在日華燭の典 異民族と異文化のはざまで

注文する書籍の紹介辛 榮浩(シン・ヨンホ) 著
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 「紹介にあずかりました新郎のおじです。新郎新婦のため本日は、御多忙にもかかわりませずこのようにご来席いただき誠に有難うございます」と朝鮮語で話した。
 「来賓の方は朝鮮語をご存知ないでしょうし、日本語でいたします。
 ご存知かと思いますが二人は国際結婚であります。今日の日を迎えるまで、両家の両親や親戚の方々は二人の結婚についてはいろんな考えや意見があったと思います。しかし当人たちの熱意に押され、止むを得ず承諾なさったのではないでしょうか。それが真実だと思います。
 残念ながら日本社会には、まだまだ、異民族と異文化に対する差別や民族的偏見と風潮がございます。こうした因習的な社会は、二人にとって決して寛容ではないはずです。これからの新生活には試練があることを覚悟しなければならないと思います。そうした不条理な社会をお互いがどう受け止め、理解し合って行けるかが鍵なのです。新郎新婦はこのことを肝に銘じて、忘れないでほしいと思います。
 これからの日本社会は開かれた新しい国際社会になることでしょうが、まだまだ改善されなければならない問題はたくさんあると思います。二人が幸せな家庭を築き上げることでその問題を克服し、解決して行かねばならないと思います。
 何よりも先ず、互いの立場を理解し、異質な言葉と歴史・文化を互いに認め合い尊重することが大切だと思います。そうした意味からも、新婦の智美さんはまずわたしたちの国の言葉と風俗習慣を早く覚え身につけられるよう努力してください。
 ここ数年来の在日朝鮮人青年結婚の傾向を見ますと、もう過半数からが日本人との国際結婚となって来ています。こうした現実は、私たち同朋社会では、無理からぬ時代に趨勢のように見えます。同朋青年の国際結婚の比率は年々高まっています。在日同胞の価値観や結婚観は、これからは一層複雑化し、ますます多様化して行くのではないでしょうか。
 私は二人が、こうした厳しい環境の中でも、不当な差別にくじけることなく、模範的で理想的な家庭を築き、すばらしい人生を開拓して行ってくれることを願っています」と挨拶を締めくくった。
 私は甥の結婚を祝し、二人の前途を励ましながらも、その一方で心が滅入って行くのを避けようがなかった。私の知っている限りでも、日本人との国際結婚で、何人もが傷つき挫折しているのを見てきていた。それだけにその危惧感をぬぐい切れずにいる。そして私は、まだ幼かった頃の痛ましい出来事を忘れないでいた。
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「在日華燭の典」より
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