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書籍出版 海風社 書籍案内

  • 塔 和子詩集「未知なる知者よ」
  • 塔 和子詩集「未知なる知者よ」

    塔和子

    1,500円+税

    一般書 詩集 / A5変型判 上製 / 100頁 / 2006/9 改装版初版

    ISBN 978-4-87616-286-4 C0092

    いのちの流れの中で幾たびもやってきた嘆き、悲しみ―。それらの苦
    境を乗り越えて書き留められた「詩」の数々は、著者の生きた証しで
    ある。

    目次

    流れのなかで/金魚/祭典/ガラスの顔/鯛/そこにいるとき/花/行く/終わったものから/淡雪/魚/かすかな声を/花瓶/虫/罠/人の谷間で/汽笛/枷/胸の泉に/ちょっぴり光って/ひそひそと言葉を/あわい色ではなく/ほんとうの自分を/虹/バラ/遠く見ながら/未知なる知者よ/ひとつの街で/赤い炎/一輪の花/あるとき/羊/一回きりの太陽/出来上がった料理のように/食事/ふりむくと/光っている世界/欲/げっぷ/師

    2023.10.19

塔 和子詩集「未知なる知者よ」

塔 和子詩集「未知なる知者よ」

塔和子

1,500円+税

一般書 詩集 / A5変型判 上製 / 100頁 / 2006/9 改装版初版

胸の泉に

 

かかわらなければ

 この愛しさを知るすべはなかった

 この親しさは湧かなかった

 この大らかな依存の安らいは得られなかった

 この甘い思いや 

 さびしい思いも知らなかった

人はかかわることからさまざまな思いを知る

 子は親とかかわり

 親は子とかかわることによって

 恋も友情も

 かかわることから始まって

かかわったが故に起こる

幸や不幸を

積み重ねて大きくなり

くり返すことで磨かれ 

そして人は

人の間で思いを削り思いをふくらませ

生を綴る

ああ

何億の人がいようとも

かかわらなければ路傍の人

 私の胸の泉に

枯れ葉いちまいも

落としてはくれない